「本書はコンサートホールを活性化するために書かれた本である。」

ホールを媒体として、コンサートを永く続けてゆくにはホール運営者、演奏者、聴衆によって音の追及、人間関係などの質の向上も要求されてくる。つまり、ホールの存在は、「そこに携わる人々がどんな意識をもってホールを築いてゆくか」にあるのではないだろうか。 (朝日ホール総支配人 志村嘉一郎)

「残・響 〜音楽ホールSelection・演奏側と鑑賞側」  
(発行:フーコー、発売元:星雲社、1999年7月発売)

 

1983年シンフォニーホール、1986年サントリーホール、以後1990年代に入ってから各地に次々とコンサートホールが建設された。

私が、クラシックのコンサートを聴き歩き始めた1991年。コンサートホールに関する本が出てやしないかと書店を回った。あるのは建築関係の本とようやく出てきた『ぴあhall map 91』だった。しかも首都圏版のみ。これは、チケット予約の時の座席選びには役立つ。しかし、「このホールではここで聴くのが一番。」「このホールはオーケストラ向きだが吹奏楽には不向き。」などの解説を加えた読み物には至っていない。

結局あれから、10年近くが経とうとしていた。コンサートホールに関する情報はあれからあまり変わっていない。1998年の年明け。日本吹奏楽学会(現日本管打・吹奏楽学会)の会員向けの研究冊子を執筆するチャンスが巡ってきた。

『客席から見た吹奏楽』  「残・響」の原版である。演奏する側もホールによって配置(並び方)を変えたらどうか。コンサートホールの音響を比較する方法、などを提案してみた。これに鑑賞側の立場を加筆し、それぞれの視点から分析して完成したものが本書である。

これから、クラシックや吹奏楽のコンサートに出かける前に、是非読まれることをお薦めしたい。

神宮寺昌宏

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